2024年改正の概要
2024年の労働者派遣法改正は、派遣元の事業運営に 3つの重要な変更 をもたらしました。派遣管理システムの選定・運用に直接影響する内容です。
主な改正内容
- 派遣元管理台帳の記載事項の変更
- キャリアアップ支援の強化
- 同一労働同一賃金の運用ガイドライン明確化
改正1: 派遣元管理台帳の記載事項変更
何が変わったか
派遣元事業者が法定で備え付けるべき「派遣元管理台帳」の記載事項に、以下が追加・明確化されました。
- 教育訓練の実施状況(より詳細に)
- 段階的・体系的な教育訓練の計画
- キャリア・コンサルティングの実施状況
- 派遣先での福利厚生施設の利用状況
システムへの影響
旧来の派遣管理システムでは、これらの項目が記録できないか、記録できても帳票出力が不完全な場合があります。法令違反リスクを避けるため、システムが2024年改正に対応済みか確認が必要です。
確認方法
以下を必ずベンダーに確認してください。
- 2024年改正への対応リリース日
- 派遣元管理台帳の出力フォーマットが法定要件を満たしているか
- 教育訓練の記録が時系列で追えるか
改正2: キャリアアップ支援の強化
何が変わったか
派遣元事業者は、派遣スタッフ全員に対して以下を実施する義務があります。
- 段階的・体系的な教育訓練(年8時間以上)
- キャリア・コンサルティング(希望者全員)
- 訓練の記録保管(3年以上)
システムへの影響
紙やExcelでの管理は、人数が増えると破綻します。システムでの一元管理が事実上必須となりました。
必要な機能
- 派遣スタッフ別の教育訓練計画作成
- 訓練実施記録の保管(オンライン受講ログ含む)
- キャリア・コンサルティングの面談記録
- スタッフからの請求に応じた記録開示
- 法定3年間の保存
改正3: 同一労働同一賃金の運用ガイドライン
何が変わったか
2020年に施行された同一労働同一賃金制度の運用ガイドラインがより詳細化されました。派遣元は以下のいずれかを選ぶ必要があります。
- 派遣先均等・均衡方式(派遣先の従業員と同等の待遇)
- 労使協定方式(労使協定に基づく一定水準の待遇)
2024年改正では、労使協定方式の 賃金水準の根拠データ がより厳格に求められるようになりました。
システムへの影響
比較対象労働者の賃金データ管理、労使協定の電子化、定期的な見直しサイクルの管理が必要です。
改正対応の確認方法(チェックリスト)
以下の項目を順にベンダーに確認してください。
- [ ] 2024年改正への対応リリース日が明示されているか
- [ ] 派遣元管理台帳の最新フォーマットが出力できるか
- [ ] 教育訓練の段階的・体系的計画が作成・記録できるか
- [ ] キャリア・コンサルティングの面談記録が残せるか
- [ ] 同一労働同一賃金の比較対象データが管理できるか
- [ ] 労使協定方式の賃金根拠データが保存できるか
- [ ] 法定3年保存に対応しているか
- [ ] 紙申請が必要な書類はどれか(行政手続きで紙が残るものもある)
改正対応が遅いシステムのリスク
2024年改正への対応が遅れているシステムを使い続けると、以下のリスクがあります。
法令違反リスク
派遣元管理台帳の記載不備は、行政指導の対象となります。最悪の場合、業務改善命令や事業停止命令につながります。
監査対応リスク
労働局の臨検監督で問題を指摘されるリスクが高まります。修正対応に追われ、本業に支障をきたします。
派遣先からの信頼低下
コンプライアンス意識の高い大手派遣先は、派遣元のシステム対応状況を取引判定に含めることがあります。
編集部からの推奨
2024年改正への対応スピードは、ベンダーの法令対応力を測る重要指標です。改正発表から半年以内にリリースしているベンダーは、今後の改正にも迅速に対応できる可能性が高いといえます。